第弐拾話 心のかたち 人のかたち

ナディアから受け継がれている「生きろ」という意志

 この回、かなり絵が綺麗です。シナリオ段階では「シンジ誕生」というタイトルになっていました。最初何でだろうと疑問に思ったのですが、本編を見返してみると、シンジが生まれたときの描写が挟まれていました。「シンジ誕生」だとあまりにも直球過ぎて、全体のバランスが崩れてしまいそうですね。次の「ネルフ誕生」とも被ってしまいますし。

 「迂闊に手を出すとどうなるか分からない、葛城さんと同じですね」日向マコトがココで始めてミサトに偵察かけてます。加持が行為の最中にカプセルをミサトに託すとき、「変なモノ入れないでよ」と言いますが、どこに入れたかファンの間で憶測が色々と飛び交ってます。鼻の穴でないことだけは確か。

 この回では、再びシンジの内面世界が描かれています。その中に、次のようなセリフがあります。

「セカンドインパクトの後に生きていくのか、この子は。この地獄に・・・・・・」
「あら、生きていこうと思えば、どこだって天国になるわよ」
「だって、生きているんですもの。幸せになるチャンスはどこにだってあるわ」
「そうか、そうだったな」

 最後の「そうか、そうだったな」は、「ふしぎの海のナディア」でネモ船長も使っていたセリフです。N−ノーチラス号でジャンから船長の帽子を渡された時だったと思います。最後の回でネモ船長は、ナディアに対して「生きろ!」と叫びますが、ユイとゲンドウのシンジが生まれたときの会話のシーンを見ていて、ナディアの最後のシーンと重なりました。なんともジ〜ンとくるシーンですね。

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NEON GENESIS EVANGELION vol.05
出演:緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子
監督:庵野秀明
形式:Color, Dolby
言語:日本語
リージョンコード:リージョン2
販売元:キングレコード
発売日:2003/9/26
時間:95 分

光の巨人

光の巨人のシルエットから容易に連想できるのは、庵野秀明監督も携わり伝説となっている「風の谷のナウシカ」(宮崎駿監督)の巨神兵。当初エヴァンゲリオンでも、ナウシカやラピュタと同じく、エヴァを第一先住民の戦闘兵器とする設定がシナリオ段階であったが、この設定は放送時にはカットされ、種明かしとなった劇場版でも完全に放棄されている。おそらく既にナウシカやラピュタ、ナディアなどで頻繁に使用され、使い古された設定だからだろう。

肩の突起や中央の丸い空洞など、最初の人間アダムとするにはあまりにも人工的で不自然な光の巨人のシルエットも、ナウシカやラピュタに出てきた巨神兵と同じ、人間の造った戦闘兵器の予定だった名残と捉えれば、納得がいく。なお、第一先住民という設定は、前作の「ふしぎの海のナディア」でも使用されている。おそらくナディアの世界観、ナディア後の世界をエヴァに引き継ごうとしたのではないだろうか。ナディアとエヴァの世界の接点に関しては、BYE BYE BLUE WATER 2に収録されているラジオドラマでも、その名残を窺い知ることが出来る。

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『エヴァとの思い出』

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