エヴァの中でも最も興奮できる回の一つであり、最も哀しみを誘う回でもあります。初号機が参号機をメッタメタにやっつけるところは、従来あるロボットアニメの表現ではなく、血湧き肉躍る肉弾戦そのものです。碇司令がパイロットとエヴァのシンクロ回路を切断してダミープラグを起動させる命令を下すシーンも、司令官特有の緊迫感があってカッコイイです。かなり冷静に「攻撃開始」と言ってます。
ビデオで見たときは、トウジは肢体満足で無事なように見えたのですが、最近フィルムブックを購入して、脚注の所に左足を失っているという説明を見つけて、よく見たら、確かにシーツの膨らみは右足しかなくて、トウジがエヴァとの戦闘で左足を失っているのを10年目にして知りました。
エヴァ初号機との戦闘前に、日向マコトが参号機エントリープラグ内のトウジの様子を「呼吸と心拍数はありますが、おそらく・・・」と伝えますが、おそらくどうなってるんでしょうね。意識があるのかないのか。ないような言い方ですけど、意識があるまま乗っていたとしてトウジ側から描かれていたら、かなり残酷なシーンになっていたことでしょう。実際には起動実験の際のトウジの様子は一切省かれていますが、省略の美学が生きています。
妹思いのトウジは、難しい怪我をしている妹を大きい病院に転院させることをエヴァ搭乗の条件にしたとリツコが言います。実際にフィルムでは、トウジの口からその条件を聞くことはありません。その様な演出手法も、他人に自慢したり善意を見せびらかしたりしない虚栄心ゼロのトウジの男らしらを一層際立たせています。
最後にはミサトさんがシンジにフォースチルドレンの名前を告げようとしますが、このシーンはこっちまで咽び泣きそうになりました。
NEON GENESIS EVANGELION vol.05
出演:緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子
監督:庵野秀明
形式:Color, Dolby
言語:日本語
リージョンコード:リージョン2
販売元:キングレコード
発売日:2003/9/26
時間:95 分