紺碧の空に雲が浮かんでいる清涼感溢れるジャケット。映画のラストに使用された高橋洋子の「魂のルフラン」が入っていないので、楽曲にやや乏しい感はある。映画冒頭ではキャラクター達がひとりひとり体育館に集まってきて、最後に4人揃ったところでクラシックを奏でるという実験映画の体裁を成しており、その際の断片的な調弦が幾つか収められている。その為、正直退屈感のある楽曲構成だが、「Kanon D-dur(Strings Orchestra)」は、映画の前半部終了のスタッフロールで奏でられていた大変印象深い曲であるし、「Rei I」のアレンジバージョン「吾への、涙」や、「THE SORROW OF LOSING THE OBJECT OF ONE'S DEPENDENCE U」は感傷を誘う。最後にはアスカが復活する「偽りの、再生」が聴ける。また予告編に使用された激情的なクラシック「Dies irae[REQUIEM]」も37分12秒収録されているが、クラシックファンではないエヴァファンにとっては、この長さは苦痛か。
映画「DEATH&REBIRTH」は当時熱狂的に待ち望まれていた続編の前菜として提供された為、「DEATH&REBIRTH」でアレンジされたBGMを聴くだけでも、それ自体が感動の二文字だった。その新しくアレンジされた音楽から、続編の展開を予想するための糧にしたりもした。
あの季節にあの映画を見た人たちにとっては、懐かしさと共に、当時の興奮と感動を呼び醒ましてくれるサウンドトラックだろう。