第弐拾参話・第23話 涙

エヴァに取り憑かれた人の悲劇

 「人は神様を拾ったので喜んで手に入れてしまった。だから罰が当たった。それが15年前。せっかく拾った神様も消えてしまったわ。でも今度は自分たちで神様を復活させようとしたの。それがアダム。そしてアダムから神様に似た人間を造ったの。それがエヴァ」

 リツコのこのセリフの通り、15年前の光の巨人は消えてしまった。それを人工的に復活させたのがアダム、そのアダムから神に似た人間を造ったのがエヴァという衝撃の事実が、ラスト3話を前にして明かされます。

 第23話のビデオフォーマット版では、使徒との戦闘に追加シーンがあります。かなり妖艶な綾波レイの白い巨体がシンジの乗る初号機と接触を試みようとします。映画版にあった初号機を包み込もうとする黒い目のレイが、「涙」の回でも登場します。前回はアスカの内的世界が描かれましたが、今回はレイの番です。シンジ君は既に過去に数回、内的世界が描かれてますね。最後にはゲンドウの幻影を見て、零号機自体がレイの姿になり、天使の輪っかが浮かんで爆発します。

 サブタイトル通り、涙を誘う回でもあります。冷徹な科学者のイメージがあったリツコが、この回で初めて女としての感情をさらけ出します。エヴァって結構泣き所の多いアニメですね。第21話ではミサトさんが加持の死を知って号泣して、今度はリツコさんがゲンドウに裏切られた事で、いつになく感情を爆発させます。また声優さんたちの泣き方がうまいんですよね。

 最後はミサトさんのセリフ、「エヴァに取り憑かれた人の悲劇。私も、同じか」で終わります。うーん、最後まで痺れさせてくれるアニメだ。

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時間:100 分

ネルフとエヴァの真相に迫る葛城ミサト

「鳴らない電話を気にして苛つくのはもう止めるわ」や「使徒を肉眼で確認、か」など、この回では、過去のタイトルやセリフが、ミサトのセリフを介してやや皮肉を込めて反芻されている。作り手側がこれまでのストーリーに否定的な態度を取っていると受け取ることも出来る。最後に全てをひっくり返す算段だったのだろうか(インタビューではデビルマンについて言及されている)。テレビ版では、人類補完計画の全貌が明かされることなく、謎のまま残されて終わるが、そのせいもあり、エヴァブームに火がつくこととなった。

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『エヴァとの思い出』

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