第九話 瞬間、心、重ねて

なんてインチキ!!

 第6話まではかなりシリアスな路線でストーリーが進んできましたが、アスカが登場した回から、コミカル路線に変更していきます。使徒との戦闘も、遊びやゲームのようで、見ていて純粋に楽しいです。予告で流れるBGMを背景に、シンジとアスカの共同生活を描いた目まぐるしいカットが連続するシーンが秀逸です。

 冬月副司令の「総員!第一種戦闘配置!!」の掛け声が勇ましいですね。その直後に勇壮果敢な音楽が流れて、スタイリッシュなタイトルバックの画面が現れるので、痺れまくりデス。

 がおおぉおーーって感じで画面左からやる気のなさそうな使徒が現れた後は、無様なことになります。ちなみに当初の使徒との戦闘シーンは、シナリオ段階ではかなり詳しく描かれていたのですが、本編ではバッサリカットして、代わりにモニターでの説明に切り替わっています。しかしアスカの胸といい、ミサトと加持のエレベーターでのキスシーンといい、スカートの丈といい、エヴァって結構オトナな要素入ってるなーと思わせる回です。

 最後に使徒を倒すシーンのカットの連続は、久しぶりに見返しましたが、震えました(特に冬月副司令の笑顔がw)。今回のクラシック風音楽は音楽担当の鷺巣詩郎の作曲ですが、後に本物のクラシック音楽が使われることになります。今回のシーンの出来があまりにも良かったから、今度は本物のクラシック使ってみようって事になったのかなぁ。

 ユニゾンの決まり具合もいいのですが、おそらくこの回で何気に目立っているのは、冬月副司令です。「ネルフ、誕生」の回でも冬月が大活躍を見せますが、この回では、普段真面目な冬月の振り回されっぷりな役柄を垣間見ることが出来ます。

 特に最後のシンジとアスカの言い争いをボーゼンと見ている冬月の唖然とした後ろ姿と、その後に続く横顔カットでガックリ来ている冬月の「恥を掻かせおって」がもうツボハマリです。特に冬月副司令には、ナディアで魅力的なガーゴイルの役のイメージと重なるところがあったので、その落差もナディア以来の清川元夢ファンには嬉しい限り。

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使徒との戦闘に勝利し、意気揚々のアスカ

今回使徒との戦闘に用いられたクラシック風の曲は鷺巣詩郎の作曲だが、「せめて、人間らしく」「最後のシ者」では本物のクラシック音楽が使われることになる。更に劇場版予告でもクラシックが用いられた。アニメとクラシックの融合は、見事な効果を発揮したが、その先駈けが、第七話の「瞬間、心、重ねて」の名シーンだ。

また今回は、本筋の他に、傍流として シンジとアスカの思春期らしい男女の触れあいが描かれている。随所に挟まれる登場人物達の等身大の日常生活もまた、エヴァを魅力的な作品にしている要因の一つだ。

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『エヴァとの思い出』

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